千葉県自閉症協会 令和7年度通常総会・講演会が 令和7年5月17日(土)千葉市美術館にて行われました。
講演会では、千葉県発達障害者支援センター・発達障害者地域支援マネージャーの田熊 立さんによる「ご家族の相談で大切にしてきたこと」〜発達障害者支援センターの22年間を振り返って〜の講演を聞きました。
あいにくのお天気でしたが、参加は定員いっぱいの50名でした。
◎ご自身が感じる福祉哲学
・ストレングスモデル
当たり前のことをストレングス「強み」と捉える視点が大切(自分も周囲も)
・医学モデルから社会モデルへ
対立的にみられがちだが「両者をバランスよく取り入れる」ことを重視
医学モデルの「特性の理解」と社会モデル「環境の調整」の組み合わせ
・合理的配慮とは「理由にかなった具体的な環境調整」
・特性はその人の中に固定されたものではない
・特性は環境との相互作用で変化するもの
・この「本人↔︎環境」とのやりとりが支援
・選択できる選択肢が社会にあることが重要
・幼児期から「選択」ができるように経験を積むこと(PECSなど)本人への対話と自己選択が必要
・親の役割の変化
関係機関が増えて 親は機関同士の情報伝達者(親のコミュニケーション能力頼み)、介護者・ケアラー、情報収集者として役割が積み上がってしまっている
・親への支援では、親が社会の中で担っている役割を知ることは重要なアセスメントである。そして親への支援は、支援者や社会が、その役割を具体的に引き受けていくという明確な行為
・浮かび上がるテーマ「対話の重要性」
(感想)
田熊先生のお話で印象的だったのは、日々の支援で小さな仮説を立てて検証していくことの大切さ。大きな目立つ成果でなく、ご本人の選択を見極めながら地道に努力することの素晴らしさでした。